東大生は「頭の中」をどう整理しているか

「頭の中の整理」と言うタイトルを見て今まさに自分はこれが必要だと思いました。

本書は精神科医で多数著作を出されている和田秀樹さんによって執筆されたものです。簡単に作者のご紹介ですが、和田さんは1960年に大阪で生まれ、ご本人も東大出身であの日本で一番難しいとされる理科Ⅲ類から卒業されています。

和田さんはお仕事の中で毎年１５０人以上の東大生と面接しており、東大生に共通する思考方法をまとめられ本書で紹介してくれています。タイトルにある通り頭の中が整理されていることというのが、東大生に共通することでその整理術を全7章の中で説明しています。

その中から私が大切だと思った内容を３つだけ選んで紹介させていただきます。もしご興味が湧いたら是非本書を手に取り一読いただければと思います。

一つ目が”危機感と真摯に向き合う”という項目です。
これはどういうことかというと、何か課題があったり困難があった際に次に先送りすることなく、その問題に逃げずに向き合うことが出来るメンタリティがあるということです。正直これが今の自分に最も足りていない部分でこれがあれば、他に和田さんが紹介されていた項目も自ずと実施できるのではないかと思います。

学校で宿題があったり、発表がある際に「いいや。明日やろう」では済まさずに今できることをやって出来なければ諦めるというその割り切りができるところまで、行動していることが重要だそうです。自分ができるところまでやってダメなら、しょうがないとそう判断できるところまで行動することで次何をするかが明確になります。

何もしないで考えてばかりいると次すべきことが分からないので、頭が混乱してしまう。この状況を作らないことが常に結果を出せるベストなコンディションであると筆者は述べています。

二つ目が”ルール、リズムを守る”ということです。
宿題をやる必要があるにも関わらず、それは後回しにしてゲームをしたりテレビを見てしまう。こういう習慣が定着してしまうと自分を律することができず、課題を解決することができにくくなります。一つ目の危機感と真摯に向き合うことができなくなります。

たとえ最初は嫌でも宿題、勉強を１時間やるというルールを徹底して守っていくとそれがルーティンとなり嫌だった感情も薄れてきます。その積み重ねが自分の自信となり何か課題にぶつかっても今まで通り向き合っていけば大丈夫という安心に繋がります。

またリズムを守るということも重要とのことでした。寝て起きる時間を調整し自分が一番パフォーマンスが高い就寝、起床時間を徹底するということが東大生は出来ているそうです。睡眠は大切だということは皆さんも知っておられるかと思います。その重要性を身を持って知り、小さい頃から実践できていることが東大生たりうることなのかと思いました。

三つ目が”書く、調べる、話す”ということです。
これはアウトプットとインプットという流れができているということだと思います。書く、話すがアウトプットになると思いますが、このアウトプットの作業をすることで頭の中が整理され直面していた問題の答えも閃いて勝手に自己解決してしまうことも少なくないとのことです。

アウトプットの重要性は他の書籍でも色々と述べられているのと、自分も紙に書き出したり人に話すことで気持ちが整理される経験があったので分かっていたつもりなのですが、この調べるというインプットについては新規性のある内容だったのでなるほどなぁと思わされました。

東大生の方達は辞書や用語集を頻繁に使うとのことで、もし自分が分からなかった言葉や事象に対してはすぐに調べる癖ができているとのことでした。以前堀江貴文さんが幼少期家に暇つぶしで家庭の医学や辞典などを読み漁っていたという記載があったのを思い出しました。

また何で読んだかは忘れてしまったのですが、色について世の中には何百種類もの表現があるということも思い出しました。たとえ青色があっても、それは濃ければ紺色、薄ければ水色、もっともっと多くの青色があり日本の伝統色でいうと青色は７１種類もあるそうです。

その色を、言葉を正確に違いを理解して認識すればその人はただ単に青色だと解釈せずにこれは何色だと認識できます。その理解の違いが感性を高めより深い理解につながるのだと思います。少し脱線しましたが、この調べるという作業の中に辞書を用いて行うことで用語を正しく理解し頭が混乱することを回避することが出来ると思います。

以上私が本書、”東大生は「頭の中」をどう整理しているか”を読んで重要だと思ったことを抜き出して紹介させて頂きました。このほかにも様々な思考の整理術が紹介されており、非常に勉強になる一冊だと思います。昨今の情報過多の社会の中で頭が混乱しないようにしっかりと情報を整理することが重要になってくると思います。その方法をわかりやすく説明している本書を是非読んで一緒に共有できればと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。Let’s Keep Walking!!